越谷市立富士中学校にてSDGs活動授業をさせていただきました

「ハンガーを1本たりともゴミにしない」
この言葉を聞いて皆さんは何を感じますか?
普段なかなか考える機会がないとは思いますが、実は「ハンガー」と「環境問題」というのは密接な関係があります。
今の日本は世界的に見ても「清潔」という印象があります。しかし約70年前、想像を絶する環境にありました。
過去の日本情勢も交えながらハンガーのながしおを運営している日本コパック株式会社がどのように環境問題に取り組んできたのか、富士中学校三年生の皆さんに授業をさせていただいた様子をご紹介いたします。
始まり

こちらは1957年からのゴミの埋め立て処分場として選ばれた「夢の島」です。
当時のゴミ処分は、生ゴミなども燃やさずにそのまま夢の島に投棄するというものでした。東京で出たゴミの7割が江東区に集まり、毎日5000台の収集車で運ばれたため、夢の島はあっというまにゴミで覆われました。
創業者が昭和の夢の島のゴミの山に自社製品であるハンガーが捨てられているのを見て、これではいけないとハンガーを拾いはじめたことがはじまりでした。

このことをきっかけに、長い年月を経て日本コパックの リユース・リサイクルハンガーのシステムフローはこのように変わります。

ハンガーを作って、店頭に並び、壊れたり古くなったハンガーは今まで廃棄していたところを日本コパックで回収し、再度新しいハンガーに作り替えてまた納品する。このサイクルが確立していきました。
「ハンガーを1本たりともゴミにしない」とはこのことを意味しています。
SGDsが誕生したのは2015年。日本コパックがリサイクルハンガーの回収に着手したのは1991年。何と34年も前からハンガーのリユース・リサイクル活動を始めていたのです。
その結果約100社の取り組み企業、7,000を超えるお店に携わってきました。
直近では、年間約1,000万本のリユースハンガー出荷を実現しています。
この25年で累計1億8000万本のハンガーを回収しています。
回収ハンガーをすべて廃棄償却した場合、40,866tのCo2が排出されていた想定となり、樹齢40年の杉の木のCo2吸収量1,703万本に相当します。私たちはそれを阻止することを実現したのです。
小さなハンガー1本1本の積み重ねが大きな効果を生んでいることがよくわかります。
ハンガーを一本も無駄にしないリユース活動。
日本コパックは現在もアップサイクルプロジェクト「CLOSET ANIMAL」やリサイクル活動。
企業様との取り組みなど、当社では様々な活動を行っています。
FSC認証

皆さんはこちらの「FSC」マークというものをご存じでしょうか。
商品のパッケージや紙袋など意外と身近なものに付いているマークです。
FSC認証とは持続可能な森林活用・保全を目的として誕生した「適切な森林管理」を認証する国際的な制度です。
認証を受けた森林から作られた製品にのみFSCロゴマークがつけられます。
そんなFSC認証を受けた資材を使ってハンガーを作るだけでなく、様々な活路を見出す活動も行っています。
例えばこちらの「CLOSET ANIMAL」
ちょっとした傷などで販売することができなくなってしまったいわゆるB品ハンガーを、自分で想像して組み立てるおもちゃとして再利用しています。

授業を行って
富士中学校の3年生のみなさんは、授業でも大変多くのSDGsについて学んでいらっしゃいました。
わたしたち大人よりも詳しく、大人になった時どんな未来を切り開いてくれるか楽しみにもなりました。小さいことを1つずつ丁寧に積み上げていくことが、環境問題にはとても大事なことです。
この授業がきっかけで、1人でも環境問題について取り組みができたらと思います。

授業終了後、生徒さんからはこのようなメッセージをいただきました。
Aさん:ハンガーを回収し続けてたりすることで、たくさんの二酸化炭素を減らし、環境をまもっていけるのだわかった。すぐに効果が得られなくてもそれを続けていくことでいい未来になると感じた。一人一人できることから、やっていきたいと思ったし、FSCマークのものを選んだりして環境保全に協力していきたいと思った。
Bさん:環境問題や海の問題などの解決に向けて、たくさんの活動をしていてとても社会に貢献しているなと思っ
た。自分はまだ大きな活動はできないけど少しでもできることはあるので、それを調べたりして実行したいなと思った。とてもいい機会になった。
Cさん:ハンガーの会社がSDGsに取り組んでいると知った。私たちの身の回りの生活を支えてくれているものを作る過程で、CO2の排出を減らし環境に貢献していると知った。自分も少しでもできるSDGsを探し取り組んでいきたいと思った。
今回授業する機会をいただき、ハンガーに限らず環境問題について一人一人が考え、行動していかなければいけないと改めて感じました。
大きなことを成し遂げるのは難しいかもしれませんが、身近な小さなことから変えていくことの重要性を感じます。また、このような環境問題の現状を知っているのといないのでは大きな差があると感じています。今後の日本を切り開いていく皆様に授業ができたこと、環境問題を考えるきっかけになれたことに大変喜びを感じています。ハンガーのながしお及び日本コパックでは、これからも「ハンガーを1本たりともゴミにしない」を掲げて皆様に商品をお届けしていきます。